朗読劇「私の頭の中の消しゴム 5th letter」観劇感想

茅原実里

こないだの土曜は、天王洲アイルにある銀河劇場にて、
朗読劇「私の頭の中の消しゴム 5th letter」を鑑賞してきました。

本作は日替わりで声優さん、役者さんが出演していて、
15日の昼公演と翌16日の夜公演は
みのりんと別所哲也さんが共演します。

大井町で昼ご飯を取って、りんかい線で天王洲アイルへ。
モノレールの駅のすぐ隣に銀河劇場はあります。

株式会社 M-Peace って、自分の事務所じゃないか!
他は、ランティス、リンクアーツ、ファンクラブの M-Smile、
そしてナレーションを担当している東京12チャンネルの
「解禁!暴露ナイト」からも。

15分くらい前に入場。
席は前から 9列目の左側。
こぢんまりとした劇場なので十分近い。

 

携帯電話の電源を切ってくださいという、ただ一つの
お願い事項の放送があって、13時05分に開演。

物語は、みのりん演じる薫(かおる)が、同僚の元彼と
別れたところから始まります。

新しい恋を探していた薫は、父親の仕事(建設会社社長)の現場で働く、
別所さん演じる浩介が気になり、次第に惹かれていきます。

浩介は薫が気になるどころか邪魔に思っていたのですが、
いつしかお互いが気になる存在へと変わっていくのでした。

浩介は薫との結婚を許してもらうため、父親、つまり社長に
会いに行くのですが、反対されてしまいます。

社長に認めてもらうため、一級建築士の資格を取ることを決意し、
薫のサポートもあって、合格率 15% の狭き門を突破します。

浩介は建築事務所を開業し、薫との新婚生活が始まりました。
仕事も順調に取れ、しあわせの絶頂といったところでした。

しかし、浩介には隠された過去があり、薫はそれを知ってしまいました。
浩介には縁を切った母親がいたのです。
母親には多額の借金がありました。

二人は自分たちの家を建てるため、お金を貯めていました。
浩介は借金を肩代わりすることに反対しましたが、
薫の説得で貯金を返済に充てました。
それでもまだ足りませんでしたが、浩介と薫はがんばって働いて、
借金を返して母親を楽にさせてやろうと決意するのでした。

ここまでが前半部。
物語の核心はこのあとです。

薫にはしばしば偏頭痛の症状が現れていました。
暫くすると治まるから何でもないと流していたのですが、
えげつない運命が襲いかかろうとしていたのでした。

偏頭痛の期間がだんだん長くなっていき、
マンションの自分の部屋がわからなくなったり、
仕事でもミスをするようになりました。

浩介はふだん通り薫に接するのですが、何かおかしい…
ある日、薫の飲んでいる薬を見て絶句します。

薫の脳はもはや 120歳に相当するほど老化していたのです。
病名は若年性アルツハイマー。
精神的な死が肉体的な死より先に訪れる病気で、治癒の見込みなし。

浩介は全力で薫を支える決意をします。
しかし、徐々に失われていく薫の記憶。
病状が悪化するに従い、実家から薫を引き取るという申し出を拒否。
それでもついには二人は引き離されてしまいます。

伊豆の施設に薫がいるという情報を元に、
薫の居場所を突き止めた浩介。
薫に話しかけた浩介に対し、薫が返したのは、

「はじめまして」

の一言だった…

…と、薫は浩介の顔すら忘れてしまったのですが、
それでも浩介は薫を支える決意をするところで、
物語は幕を閉じました。

***

前半部はふつうの恋愛物語です。
薫の友達にチアキがいたり、デート先がバッティングセンターに
なっていたのは、みのりん向けにシナリオを書き直したのかどうかは
定かではありませんが、チアキや長門でセリフを読んだところは
(みのりん目的で来場した)観客にはツボっていました。

後半部は病気がテーマなだけに内容が重く、
薫の病気が語られる場面では、客席から鼻をすする声が聞こえ、
それはだんだん目立っていました。
泣かせるシーンと感情移入される演技でしたから(>_<。)

前半部の恋する女子から一変して、浩介を支える妻として
明るく振る舞う様、病を抱える苦しい様、アルツハイマーの
症状を表現する様…など、素人目に見ても難しい役どころを、
みのりんは見事に演じきっていました。

共演した別所さんが引き上げてくれた、という意見もあるでしょう。
しかし、引き上げてもらうには、それに応えられるだけの
ものがないと無理ですね。

発売中の「声優グランプリ」誌にはみのりんのインタビュー記事があります。
1年前に出演オファーを頂いていたらしいのですが、
その頃は D-Formation ツアーの真っ最中なので辞退。
(6月の第3土日はツアー集大成の幕張 2days ライブでした!)
1年後の再オファーで実現したといういきさつがあったそうです。

これはいい公演でした。
ライブ活動を精力的に行っている singing Minorin のみならず、
これを機会に役者として評価されるべきであると実感しました。

終演後は知り合い数人でクレープを食べてお開き。

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