ウチでは PT2 を使った録画用 PC で TV を録画しています。
アニメだけでなく、バラエティ番組や教養系の番組もこの録画サーバで録画しています。BD レコーダは持っていますがほとんど使っていません。
地デジの TS ファイルは、これをそのまま保存する人もいますが、ウチでは mp4 にエンコードしてファイルサイズを削減し、TS ファイルは消してしまいます。
なので、録画するだけならさほど PC スペックは必要ないのですが、エンコードもそこそこ早く終わってほしいので、CPU はある程度の性能のものを選んだつもりです。
PT2 の録画サーバは 2010年1月に組み、7年4ヶ月の間、主要な部品を交換することなく安定して動作してきましたが、ある問題があって、このたび最新の CPU で組み直すことにしました。
これまでの録画サーバの問題点
7年前に組んだ録画サーバは、CPU が AMD Phenom 1055T 2.8GHz 6コアで、チューナーボードとして PT1 と PT2 を合わせて3枚挿しにしていました。地デジ6チャンネル、BS放送 4チャンネルの同時録画が可能でした。(BS の2チャンネル分は使わず)
録画終了後にはエンコードジョブを自動で走るようにしていました。エンコードツールには HandBrakeCLI を用い、x264 で 1280×720 にリサイズするよう設定すると、30分のアニメを12~15分くらいでエンコードできました。
古いパーツながらも Windows 7 で安定して動いていましたが、大きな問題点は電気を食いすぎるということでした。
アイドル時でも 120W、エンコードが走ると 140W まで消費電力が上がりました。
録画サーバは常時稼働なので、1ヶ月の消費電力を計算すると、0.12[kW] × 24[h] × 30[days] = 86.4[kWh]。1kWh あたりの電気代を 27円とすると一ヶ月で約2300円。1年間にすると電気代が28000円。
アイドル時のみで計算しても年間で 28000円。エンコード時の高負荷も踏まえると 30000円を超えているかもしれません。
7年間なら……電気代だけで20万円以上も使っていたのか(・д・)
新しい録画サーバに求めるもの
パーツ組み替え後の新しい録画サーバに求めるものは大きく3点あります。
- 低消費電力であること
- mp4 のエンコード速度は以前と同等以上であること
- PT2 を最低2枚挿せること
低消費電力のために、型番に “T” がついたインテルの低消費電力版のデスクトップ CPU を選ぶことにしました。エンコード性能を狙うなら i7 ですが、そうすると消費電力が上がってしまうので、第7世代 Kaby Lake の Core i5 7500T にしました。
ただ、Phenom と比べるとコア数が6から4に減るので、エンコード速度の懸念がありました。比較対象が古すぎるのでベンチマークの比較もなく、これは運用してみてからのぶっつけ本番です。7年間の技術革新が2コア分を埋めてくれるだろう…と期待。
そして、PT2 は PCI バスなので、マザーボードに PCI スロットが最低2つ要ります。PCI スロットを搭載したマザボは減りつつあるのですが、ASUS の PRIME H270-PRO が PCI スロットを2つ持ち、1万円台前半なのでこれに決定。
録画サーバなのでメモリは 8GB もあれば充分。
そんなこんなで、買うパーツを決めたら、GW 初日にアキバにて購入しました。
録画環境の構築
PTx を使っている人には常識と思いますが、録画用に使っているツール類は以下の通りです。
- EpgDataCap_Bon … 予約録画、キーワード録画
- Spinel … チューナー(ドライバ)制御
- TVTest … 視聴チェック用 (※ほとんど使いません)
これらのツール類はレジストリを使わず、*.ini ファイルで環境設定をするため、環境移行時にディレクトリコピーで済むのが利点です。
これら以外にファイルリネーム用のツールとか、録画終了後に自動でエンコードするスクリプト(これはネットにあったものを改造)があります。
パーツ入れ替えに伴い、OS を Windows 7 から 10 にしました。10 は mpeg2 のデコーダを標準装備しないので、これを別途インストールする必要があります。
EpgDataCap_Bon のキーワード録画は強力で、見たいアニメのタイトルを登録しておけば自動で録画してくれます。「堀江由衣」と登録しとけば、再放送であろうとほっちゃんが出演している番組は録画される…はず……ですが、ゲストキャラで1話だけ出演だと引っかからないかもしれない(^_^;
肝心の消費電力と性能は?
リプレースする一番の目的だった消費電力は、アイドル時 45W、高負荷時 80W まで激減しました。45W で上と同じように一ヶ月の電気代を計算すると約900円。
mp4 へのエンコード性能は、30分のアニメで 8~10分となり、6コア CPU より短くなりました。
最近のインテルの CPU は QSV というハードウェアエンコード機能があり、それを使うと 5~6分で終わってしまいます。しかし、x264 と比べてファイルサイズが 3倍程度の大きさになり圧縮率は劣ります。なので、QSV は使わずにソフトウェアでエンコードしています。
7年間でコア数やクロック数の進歩はあまり見られませんが、CPU の電力効率は大幅に上がっていると感じた録画サーバのリプレースでした。
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